マタリキは世界各地で様々な呼び名を持つ。英語では古代ギリシャの名称である「プライアデス」や「セブン・シスターズ」と呼ばれている。ハワイ語では「王族の目」のマカリイ、日本では「集う」という意味の昴(スバル)である。
マタリキの祝い方として、友人やファナウ(家族)が集まり、ワインで乾杯することが挙げられる。おもてなしの意味に近いマナアキタンガ/Manaakitangaは、マオリ文化の本質的価値観の一つで、人が集まり、食べ、飲み、交流することに他ならず、ワイン業界にとっては特に重要な意味を持つ。マナアキタンガには、自然環境への配慮や敬意という意味合いも含まれており、ニュージーランドの大半のワイナリーで実践されている。また、カイティアキタンガ/Kaitiakitangaは、次世代のために土地を守るというマオリ文化のもう一つの本質的価値観だ。カイティアキタンガとは、自然資源は地球に属するものであり、人は敬意を払っている限り、これらの資源を自由に利用できるという信念である。
ニュージーランドワイン業界はまた、テ・レオ・マオリ/Te Reo Māori(=マオリ語の事)を取り入れており、これによって多くの生産者が自分たちの土地の重要性や歴史、マオリ族との関係を認識することで、マオリの文化や価値観との繋がりを深めている。「乾杯」という言葉は、多くの言語で言い方はたくさんあるが、マオリ語を使うことによって、さらに会話は深まるだろうか?
ニュージーランドの多くの場所には、自然環境を連想させるマオリ語の名前が付けられており、次のようなものが挙げられる。
- マニア - 平野、広大な土地
- モアナ - 海もしくは大きな湖
- モトゥ - 島
- ワイ - 水
ニュージーランドのワイン生産地の多くは川や水辺に近いため、マオリ語で水を意味する「ワイ」が地名に含まれていることに気づくだろう。ワイララパ(輝く水)、ワイパラ(濁った水)、ワイタキ(泣いている水/涙の水)、ワイヘキ島(下降する水)など、これらは全てニュージーランドのワイン産地だ。
マタリキを祝う際に役立つマオリ語
- キア・オラ - 乾杯
- フイ - 集会
- マヌヒリ - 訪問客
- ファナウ - (近親者を含む)家族
- ハカリ - ごちそう、祝宴
- キ・テ・ハウオラ・パイ - 健康のために
ワイン業界に関連する用語
- ボトル(に入った)ワイン - ポウナム・ワイナ
- スパークリングワイン - ワイナ・パンゴ
- グラスワイン - カライヘ・ワイナ
- ワインテイスティング - テ・ティヒ・ワイナ
- ワインボトル - ワイナ・ワイナ
- 白ワイン - ワイナ・マ
- ワインリスト - ワイナ・ワイナ
- 赤ワイン - ワイナ・フェロ