人と地球がオーガニックワインに乾杯

People and the planet toast organic wine

どんな絶望の中にも希望があるとすれば、オーガニックワインの生産者はコロナ禍の中でもそのプラス面を見いだせるという事である。現代は健康や快適な生活への関心が増すにつれ、オーガニックへの関心も増しているといえる。

Milton Vineyards

健康と快適な生活、それにオーガニックが長い間共存してきた結果、それぞれが自ずと同調してきたが、世界的パンデミックによってそれらが奪い去られようとしている今、人々は人類と地球の上に成り立つ生物の影響を高く評価していると言えるだろう。

 

自分達の体に何を入れ、何を身に付けるかということが、これほど重要視されたこともなければ、より健康な将来のための取り組みを真剣に意識することもなかった。その結果、化粧品からオーガニックワインまで、あらゆるものに対して消費者のオーガニックへの需要が高まり、ますますメインストリームになりつつある。

 

北米のオーガニック・トレード・アソシエーションは、買い物客が家族の食事をのために、健康かつクリーンな食材を求めていることから、COVID-192020年のオーガニック産業を形作っていると主張している。報じられるところによると、オーガニック製品の売上は、米国のロックダウン初期の時点で50%以上跳ね上がっており、ニュージーランドの多くのオーガニック食品の供給業者は記録的早さで完売したという。

 

オーガニックス・アオテアロア・ニュージーランド(OANZ)は、国際的需要に応えるため国内のオーガニック生産は着実に成長していると話す。OANZ2018年のマーケット・レポートによると、ニュージーランドのオーガニック部門は3年間で30%成長し、2018年には年間6億ドルという値に達した。

  

オーガニック・ワイングロワーズ・ニュージーランド(OWNZ)にとって、これらの目的は全て現在進行中の戦略の一つである。ニュージーランド・ワイングロワーズの協力と支援を受け10年前に設立されたOWNZは、高品質でオーガニックかつバイオダイナミックス栽培によるワイン生産をサポート、また、促進することに尽力する生産者主導の組織である。

 

OWNZの副議長であるマンディ・ウィーヴァー氏は、 夫であるサム・ウィーヴァー氏と共にマールボロのチャートン・ヴィンヤードの共同経営者であり、エコロジカルな栽培技法において30年の経験を持つ。チャートンはバイオダイナミックスで100%オーガニック認証を受けたワインを生産している。今日のワイン業界において何が喜ばしい事かというと、オーガニック栽培ブドウの需要が大幅に増加していることだとウィーヴァー氏は話す。

 

「オーガニックに投資した栽培家は、より高値が付く最高品質のブドウを生産し、その需要は非常に高い」とマンディ氏。同氏はまた、ニュージーランドのコロナウィルスへの対処法が、同国を世界的に強力な地位に押し上げ、「土地と人を本当大切にできる」国であるという強みを強調することとなったと話している。

 

ニュージーランドのワイナリーのうち、現在約10%が完全にオーガニック認定を受けて生産を行っており、さらに多くが認証段階の途中である。ブドウ農家としてオーガニックのブドウのみを栽培しているヴィンヤードもあれば、ワイン製造のあらゆる面でオーガニックの原則を取り入れているヴィンヤードもある。

 

OWNZは、各オーガニックワインでも在り方はさまざまで、それは沢山の要因が価格に影響してくるためだという。ワイナリーはオーガニックのブドウを使ったワインにはより高値を付けているが、それは品質が遥かに良いためである。これはあらゆる領域の栽培家にとって損失となるものではなく、家族経営の小規模生産ワイナリーから、オーガニック栽培の割合を増やし続けているヴィラマリアのようなニュージーランドの大企業まで同様に言えることだ。

 

オーガニック認証として国際的に認知されているニュージーランドの機関であるビオグロもしくはアシュアクオリティに登録後、完全に認定を受けるまでに3年を要する。一旦認証を受ければ、トレードやマーケティングの過程における全ての側面においてサポートを受けられる。

 

ニュージーランドのオーガニック界において強い動きを見せているのがバイオダイナミックスで、栽培家はオーガニック栽培者同様の基本的な栽培方法を取り入れているだけではなく、特殊な植物や動物、無機質調剤も使用し、自分達の土地の自然の可能性を最大限に引き出すため、太陽、月、地球のリズムと密接な関わりを持ち栽培を行っている。

 

オーガニック・グロワーズ・ニュージーランドのコーディネーター、レベッカ・レイダー氏は以下の様に話す。

「ニュージーランドはオーガニックに適した気候で、人々が他とは違う事への挑戦に興味を持ち、強力なオーガニック・ムーブメントの推進に協力している、若く革新的な産業だ。オーガニックに関わっている企業は多数あり、多くのオーガニック生産者は、その土地と深く繋がりをもつ家族で、若い家族がオーガニックと多様性への動きを牽引している。そして自分達の取り組みに直接関わっている」

 

ニュージーランドが国際的評価を最大限に活用するためには良い状況にある一方、本物であることが重要であるとマンディ・ウィーヴァー氏は話す。「ニュージーランドはその存在において、クリーンかつグリーンであるという認識を持ち続ける。留意する必要があるのは、単に形だけの活動を行わないことだ。私達は環境への取り組みに忠実でありたい。人々はニュージーランドと「オーガニック」という単語がぴったりの組み合わせであると考えるが、我々はそれを証明する必要もある」

 

すると、オーガニックワインを飲むことの利点は何なのだろうか?

  • 自分が何を飲んでいるのか理解していること-全て自然製品であり、合成化学物質では無いということ
  • よりフレーバーが豊か-健康なブドウ木は、大地の特性をそのまま表現しているフレーバー豊かなワインを作ることが出来る
  • 景観の保守-健康な土壌、水路や安全な生物多様性はミツバチや他の昆虫を引き寄せる
  • 畑労働者の健康維持
  • より安定した気候とのコラボレーション

 

どうやったらオーガニックワインを入手できるのか

  • 各種スーパーマーケットではオーガニック食品コーナーがあり、ワインもそこに陳列されている
  • ラインラベルをチェックする-常に分かりやすく表記してあるわけでは無いが、裏ラベル記述内容を確認したり、それを元に調べること
  • 地元のワイン専門店や専門家に聞く-彼らは知識豊富であり、どのワインがオーガニックとして実証されているかを知っている

レストランでのワインリストを確認する-メニューがオーガニックや鮮度、健康食にこだわった食材を利用していたら、ワインリストにも同様のこだわりを持っているはずである

100%オーガニック認証を受けているニュージーランドワイナリー

 

Aurum, Lowburn Central Otago

オウラム、セントラル・オタゴ(ローバーン)

Bellbird Spring, Waipara Valley, North Canterbury

ベルバード・スプリング、ノース・カンタベリー(ワイパラ・ヴァレー)

Bellhill, Waikari,

ベルヒル、ワイカリ

Black Estate, Waipara Valley

ブラック・エステート、ワイパラ・ヴァレー

Carrick, Central Otago

キャリック、セントラル・オタゴ

Churton, Marlborough

チャートン、マールボロ

Clos Henri, Marlborough

クロ・アンリ、マールボロ

Deep Down,  Marlborough

ディープ・ダウン、マールボロ

Dog Point, Marlborough

ドッグ・ポイント、マールボロ

Domaine Thompson, Central Otago

ドメーヌ・トムソン、セントラル・オタゴ

Fancrest, North Canterbury

ファンクレスト、ノース・カンタベリー

Felton Road,  Central Otago

フェルトン・ロード、セントラル・オタゴ

Folium, Marlborough

フォリウム、マールボロ

Fromm, Marlborough

フロム、マールボロ

Greenhough, Nelson

グリーノフ、ネルソン

Greystone, North Canterbury

グレイストーン、ノース・カンタベリー

Halcyon, Hawkes Bay

ハルシオン、ホークス・ベイ

Hans Herzog, Marlborough

ハンス・ヘルツォグ、マールボロ

Huia, Marlborough

フイア、マールボロ

Mammoth, Nelson

マンモス、ネルソン

Milton, Gisborne

ミルトン、ギズボーン

Mount Edward, Central Otago

マウント・エドワード、セントラル・オタゴ

Muddy Water, Waipara

マディ・ウォーター、ワイパラ

Osawa, Hawke’s Bay

大沢ワインズ、ホークス・ベイ

Peregrine, Queenstown

ペレグリン、クィーンズタウン

Quartz Reef, Central Otago

クォーツ・リーフ、セントラル・オタゴ

Richmond Plains, Nelson

リッチモンド・プレインズ、ネルソン

Rippon, Wanaka

リッポン、セントラル・オタゴ(ワナカ)

Rockferry, Blenheim

ロックフェリー、マールボロ

Schubert, Martinborough, Wairarapa

シューベルト、ワイララパ(マーティンボロー)

Seresin, Marlborough

セレシン、マールボロ

Soderberg, Marlborough

ソダーバーグ、マールボロ

Stonecroft, Hawke’s Bay

ストーンクロフト、ホークス・ベイ

Supernatural, Hawke’s Bay

スーパーナチュラル、ホークス・ベイ

Takamatua Valley, Banks Peninsula

タカマツア・ヴァレー、バンクス・ペニンシュラ

Terrace Edge, Waipara, North Canterbury

テラスエッジ、ノース・カンタベリー(ワイパラ)

The Darling, Marlborough

ザ・ダーリン、マールボロ

Tuamarina, Marlborough

ツアマリナ、マールボロ

Turanga Creek, Auckland

トゥランガ・クリーク、オークランド

Two Paddocks, Central Otago

ツー・バドックス、セントラル・オタゴ

Urlar,  Gladstone, Wairarapa

アーラー、ワイララパ(グラッドストーン)

Walnut Block, Marlborough

ウォルナット・ブロック、マールボロ

William Murdoch, Hawke’s Bay

ウィリアム・マードック、ホークス・ベイ

Windrush Organic,  Marlborough

ウィンドラッシュ・オーガニック、マールボロ

  

その他オーガニック認証もしくはバイオダイナミックス農法にて育てられたブドウを利用しているワイナリー

 

Kelly Washington

ケリー・ワシントン

Neudorf, Nelson

ノイドルフ、ネルソン

Pyramid Valley, North Canterbury

ピラミッド・ヴァレー、ノース・カンタベリー

Te Mania, Nelson

テ・マニア、ネルソン

Te Whare Ra,  Marlborough

テ・ファレ・ラ、マールボロ

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